今日は、教育と脳科学のお話です。また、むずかしい話、というところですが、少しお付き合いください。

先日、何かのテレビで人間の脳のすごさを見ました。
ある14歳の少女が突然に脳梗塞、右脳が壊死してしまい、左側の機能、運動、感覚がすべて失われたそうです。まだ十代という若さで、本当に大変なことだと、心が痛みます。
ところが、今は、その状況にもかかわらず、水泳、カーリングと、次へ次へといろんなことに挑戦し、生きることに希望を持ち、頑張っているとのことです。一生懸命に生きることは、人間として当たり前のことかもしれませんが、こんな状況でも、生きることに精一杯取り組む、すごいことです。
それよりもすごいのが、人間の体、脳にあるということです。壊死してしまった右脳の代わりを左脳がしているということです。彼女は、左足も左手も動きません。ところが左足を動かそうとする彼女の意思が、左足を動かしたのです。医学的にはありえないことだそうです。脳科学の医師が、この出来事を分析すると、なんと左脳が右脳の代わりを務め、歩きたいという彼女の脳が左足を動かそうとする回路を作っていることがわかりました。本当にすごい、不思議、未来を創造する、そんなことを感じます。

先日、私は母を亡くしました。最期を看取り、安らかに眠るであろう母を見守りました。しかし、母は「生きよう、生きよう。」と、肺を動かし呼吸をし、心臓を動かし脈を打ち、最後の最後まで生きることに貪欲でした。これも、母の脳が、母の意思が、そうさせたのであろうと思っています。

この塾では、学習の前に100問計算、脳トレを行っています。簡単なたし算、ひき算、かけ算です。脳科学の研究者、東北大の川島隆太先生によれば、人の脳は、むずかしい問題を解くときより、簡単な問題を早く解く時の方が活発に反応するということを研究で明らかにしました。この計算は、長年授業で取り入れ、証明はできませんが、成績、学習姿勢、授業での発言などをみても、明らかに学習ができるようになっている、経験知としてそう確信できます。よくよく考えれば、複雑な計算問題も簡単な計算の組み合わせ、それをいかに正確に解いていくかということです。
川島先生によれば、お年寄りの呆け防止にも良いと主張されています。「脳を鍛える大人の計算ドリル」と、検索してみてください。
さらに、音読も脳には効果的であると言われています。
こうしたことを考えると、昔から「読み、書き、そろばんは大事」と言われているのもわかりますよね。

私たちの脳は、すべての活動のもとになっています。学習することはもちろん、食べることも遊ぶことも、走ることも、です。健康な体は、脳によってつくられているといって良いでしょう。また、心をつくっているのも脳です。いろいろな感情も、優れた脳であれば、よりよい生き方にすることができるのではないでしょうか。

勉強が嫌になって、やる気が起こらない時、ちょっと散歩すると気分転換ができ勉強がはかどることがありますよね。わからないところがあって、つまずいた時、ふと先生の一言でひらめき、問題が解けることがありませんでしたか。
ふとしたきっかけでやる気を起こさせる、その一言で安心する、そんな働きを脳が行なっています。不思議なものです。

本当に、14歳の子の脳には、感動しますね。何によりもやる気をもって、努力すれば必ず叶う、不可能なんてない、そんな言葉に思い出させます。こうしてた言葉によって、勇気付けられるのも、脳が反応するからですね。

<みずほ歳時記>
本当に心地よい季節になってきました、というより、寒くなってきたというべきでしょうか。ほんの少し前のあのうだるような暑さは、何だったのでしょうか。
しかし、瑞穂市は、車が多いですね。しきりなしに通る車。うちのクックーの散歩も、緊張するといった具合。クックーも、車が怖いんだかそうでないんだか、という感じです。私の自宅は、美濃市。散歩に行っても、出会う車はあるかないかです。のどかなところです。
脳トレ、一度やってみてください。中学生ですと、約1分半で終えます。