引き続きテストのお話をします。
前回はテスト範囲について触れました。
子どもたちを評価するなら、目的に沿った適切な範囲設定がとても重要だという話でした。今日はテスト問題そのものについて書きます。
私は、数学の教科担任として長年テストを作ってきました。
中間・期末テストは指導の評価にもなるので、子どもたちの顔を思い浮かべながら作成していました。
単に「学習した内容がわかるかどうか」だけで判断するのではなく、どのような指導でどれだけ理解が深まったかを測ることが重要です。
だからこそ、市販の問題集をそのまま使うことには反対です。
問題作成では、テストの目的を踏まえて一問一問を設計しなければなりません。
授業で何を教え、どんな力を育てたいのかを明確にしてから問題を作るべきです。
たとえば連立方程式なら、まず代入法や加減法で基本的な問題が解けるかを確認します。
基本的には解が整数になる問題を中心にします。加減法の範囲でも段階を分けて出題します。
そのまま式を足したり引いたりして文字を消去できる問題
片方の式を何倍かして係数をそろえる問題
両方の式を何倍かして係数をそろえる問題
カッコのついた式や小数・分数係数の式、解が分数になる問題
こうした段階を意識すると、どこかの問題集から適当に問題を抜き出して作るのは適切でないとわかります。
そうしたテストでは、子どもたちのどこが理解できていないのか正確に評価できませんし、子ども自身もつまずきの原因を把握できません。
テスト問題は一つひとつ真摯に作る必要があります。
まずはここを改善することから始めなければなりません。
もう一つ、
最近、思考力の育成が大きな課題として取り上げられます。
よって、思考力育成といい、テストもやたらと文章問題が多くなり、大変テストがむずかしくなっているのが現実です。
しかし、少し考えてみてください。
テストでそういう問題が出ても、授業で思考力を意識して、問題を読み取る指導がされているかどうかです。
率直に言えば、これまで通りの授業だと思います。
テストで、文章による問題が多く出題されるなら、授業で文章を読み取る力をつけなければなりません。
授業とテスト、とても大事な関係です。