「子どもの成長を支えるテストの真実とは?」

テストは、子どもたちにとっても、指導者にとっても重要な要素です。
子どもたちにとっては、学んだ内容をどれだけ理解しているかを測る手段であり、指導者にとっては自身の指導方法の適切さを評価する手段です。
しかしながら、現在の社会の傾向として、テストは子どもたちだけのためのものという印象が色濃くなっています。一般的な入試や検定試験、公のテストについては問題ありませんが、とかく学校では十分な検討がなされているとは思いません。

私も30年、数学のテストをつくってきましたが、子どもたちはできるだろうか、基礎的なところはしっかりできてほしいという思いでテストをつくってきました。

ところが、今の数学のテストをみると、いたずらにいろいろな問題を出し、まるでゲームのごとく問題を出題する傾向も否めません。

教えたことがどれだけ理解できているか、に徹したいところです。

さらに、配慮に欠けるところがあります。

それは計算などをする余白です。

当然数学は一問一答の問題はなく、何かしら思考過程を問う問題が多くあります。その過程をどこに書けばよいのか、こんな狭いところにどう書けばよいのか、書くことの苦手な子どもは書き間違えるに違いない、と思えるところが多くあります。

問題を解き解答を見つけるだけでなく、どのような思考過程で問題にアプローチし、解決したのかという点も重要です。
こうしたプロセスを適切に評価することが求められます。

特に学校のテスト作成や教科担当者が作成するテストの改善においては、子どもたちが確かな学力を身につけるための基盤を築くための第一歩となるべきです。