テストの真の意義:指導と評価の一体化
子どもたちにも、保護者にも、テストの点数は非常に重要です。
テストには、学習成果が評価される場です。
テストには種々の種類があります。
入学試験、資格試験、教養を問う試験などがありますが、
学校に通う子どもたち、特に中学生にとって最も重要なのは定期テストでしょう。
なぜなら、このテストの成績が進学に影響を与えるため、保護者も大いに注目しているからです。
しかしながら、テストの点数にのみ焦点が当たり、テストの内容についてはあまり知られていないことがよくあります。
それでは、定期テストについて考えてみましょう。
私は小中学校で30年間教鞭を執り、中学校では数学の定期テストを多く作成してきましたが、次のように考えています。
定期テストは、子どもたちが学習内容をどれだけ理解できたかだけでなく、指導者にとっても指導の適切性を測るものと考えています。そのため、指導と評価を一体化させることが重要です。
その観点から、テストは指導者が自身の指導内容と子どもたちの学習状況に合わせて作成しなければなりません。
一部の学校では、業者のテストを採用することもありますが、慎重に検討する必要があります。
私は、テストを自ら作成することが大切だと思います。
実力テスト、入試、資格試験など、それぞれのテストには異なる目的があると考えています。
もう一つ、テストに関連してお話ししましょう。
学校で作成される定期テストは、通常、各教科の担当教師が作成します。
時折、教科部会で協力することもありますが、それはまれなケースです。
このため、教科担当教師が独自に作成することが多く、特に若手教師がその負担を受け持つことが多いのが現実です。
ベテラン教師ではなく、若手教師がテストを作成することは、検討の余地があると思います。
その結果、経験が浅いまたは偏った視点からテストが作成され、配慮が欠けることがしばしばあります。
例えば、平均点が通常60点であるべきテストであっても、平均点が40点になる問題が出題されたり、学習内容と関連のない問題が多く出題されたり、日常の指導と無関係な問題が含まれたりすることがあります。
また、ここ最近、思考力・判断力・表現力の向上が話題となっていますが、日常的な指導がないまま、テストでは文章による問いが多くなっています。
これは子どもたちにとって非常に困難で、適切なテストでないといわざるを得ません。
平均点が60点にならないテストは、適切な問題とは言えません。
また、最近では余白の不足により、計算をどこに書けばいいのかが不明確なテストが増えています。
適切なスペースを提供せずに問題を詰め込むことは、配慮に欠けます。
つまずきの多い子どもたちが増える中で、ユニバーサルデザインの観点からテストを作成することは非常に重要です。
子どもたちの学力を向上させ、指導の効果を評価するために、定期テストについての新たな視点を持つ必要があります。