今日は、選挙についてのお話です。

 選挙というと、「18歳以上の大人のもの」と思われがちですが、実は子どもたちも日常的に選挙を経験しています。

 たとえば、学級でのリーダー決め。これはまさに、選挙の原点とも言える体験です。

 私自身、長年学級担任を務めてきましたが、その中で大切にしてきたのが「学級の組織づくり」です。

 新学期が始まると、まず取り組むのがこの組織づくりであり、集団で学び、活動していくには、役割分担やリーダーの存在がとても大切です。

 だからこそ、子どもたち自身がその意味を理解し、自分たちで組織をつくっていくことが、学級経営の第一歩だと考えています。

 最初に行うのが学級リーダーの選出ですが、ここで私が特にこだわってきたのは、「人気投票にしないこと」です。

 やる気があることはもちろん大切ですが、それだけでは不十分で、リーダーにはみんなから信頼されていることが必要です。

 そのために、まず立候補を募り、次に推薦を受け付け、そして立候補者と推薦された子どもたちによる決意表明を行います。

 立候補者は自らの意志を語り、推薦された子も「自分がリーダーとしてやるかどうか」をしっかり言葉にします。

 中には「自分にはできない」と辞退する子もいますが、多くは「みんなに推薦されたからこそ、しっかりやりたい」と前向きな気持ちを見せてくれます。

 このプロセスを通して、単なる人気投票ではなく、「信頼に基づいた選出」が実現されるのです。

 投票は必ず無記名で行います。挙手ではなく、紙に書いて投票箱へ。周囲の目を気にせず、「自分が本当にリーダーにふさわしいと思う人」に投票できるようにするためです。

 こうした選挙の経験を、子どもたちは毎年のように積み重ねています。

 だからこそ、私たち大人が「選挙とは何か」「どんな人を選ぶべきか」を丁寧に伝えていくことが大切です。

 今、社会ではさまざまな選挙が行われています。子どもたちが将来、正しい目で人を選び、社会に関わっていけるように。学級での小さな選挙こそが、その第一歩なのです。