「その子らしさ」を見つめる目を育てよう

 最近、「発達障がい」という言葉をよく耳にします。

テレビでも、発達障がいの子どもたちにどのような支援が必要か、どんな学習環境が望ましいかが話題になっています。

 

 ここで、私は「障がい」と「個性」について考えてみたいと思います。どこまでが障がいで、どこからが個性なのでしょうか。

 一般的には、その人の特性が日常生活の中で困難を引き起こす場合は「障がい」とされ、逆にその特性が役立つものであれば「個性」とされることが多いようです。

 では、勉強が苦手なことは障がいでしょうか?

 みんなと一緒に座っていられない、落ち着きがないというのはどうでしょうか?

 確かに、これらは「障がい」と見なされることがあるかもしれません。

 けれども、勉強の得意・不得意は人それぞれ。脳のつくりも、育ってきた環境も違います。一概に「障がい」と決めつけることはできません。

 落ち着きがないように見える子も、新しい環境に戸惑っていたり、周囲の刺激に敏感だったりするだけかもしれません。興味のあることに夢中になっているだけかもしれません。

 大切なのは、「一つの物差し」で子どもを評価しないことです。

その子の行動を一面的に見るのではなく、別の視点から見てみること。そうすれば、見えてくるのは「障がい」ではなく「個性」かもしれません。

たとえば——

 勉強は苦手だけど、誰にでも優しくて穏やかな子。

 じっと話を聞くのは難しいけれど、体を動かすと誰よりも活発で、周りを明るくしてくれる子。

 子どもたちには、できないこともあれば、できることもたくさんあります。その子自身の成長だけでなく、置かれている環境や、さまざまな面からその子を見つめることが大切です。

 学校という場で、たくさんの子どもたちがつまずいています。
「知的障がい」ではなく、「ちょっと勉強が苦手な子」。
「発達障がい」ではなく、「ちょっとやんちゃな子」。
そんなふうに見てあげることも、時には必要なのではないでしょうか。

勉強が苦手でも、優しい。やんちゃでも、元気いっぱい。

 子どもたちを、レッテルで判断せず、「できること」「その子らしさ」に目を向ける。

 そんな社会を、私たちは目指していきたいと思います。